女性医師・女性スタッフ・女性MRI技師による、
「お一人おひとりに寄り添う」頭痛外来を行っております、
東京港区高輪の品川ブレストクリニックです。
片頭痛は男性よりも女性に3〜4倍多く、とくに20代〜40代の女性に集中しています。
これは、単に生物学的な要因だけではなく、ライフステージの変化や社会的ストレスの
影響も関係していると考えられます。
学生から社会人へと環境が変わり、仕事や生活のリズムが不規則になったり
結婚・妊娠・出産など、女性ホルモンの変動が起きやすいライフイベントを
経験する時期と重なります。
また、40代以降には育児や家事に加え、親の介護など多忙な役割を担うことも
増えてきます。
このような身体的・精神的ストレスが重なる時期に、片頭痛の頻度や重症度が
増すことも珍しくありません。
片頭痛が女性に多い明確な原因は、まだ完全には解明されていません。
しかし、医学的な見地からは「女性ホルモンの変動」が一因である可能性が高いと
考えられています。
以下のような特徴がある方は、ホルモンの影響を受けやすい片頭痛の可能性があります。
女性ホルモンには、以下の2種類があります。
〇卵胞ホルモン(エストロゲン)
〇黄体ホルモン(プロゲステロン)
それぞれのホルモンの分泌量は、1ヶ月の中で増減を繰り返しています。
特にエストロゲンの急激な減少が、片頭痛の発生に関与すると考えられています。
なぜならエストロゲンは、脳内の神経伝達物質であるセロトニンと
深く関係しているからです。
セロトニンは血管の収縮を調節したり、痛みを抑制したりする働きがあります。
エストロゲンが減少すると、以下のような変化が起き、片頭痛を誘発しやすくなるのです。
セロトニンの働きが低下し
特に「生理前」「出産後」「更年期」は、エストロゲンが大きく下がるタイミング。
この時期に、片頭痛が起きやすくなる女性はとても多いのです。
また、閉経後にホルモン補充療法を行うと「片頭痛」が悪化するケースがあることなどから、
エストロゲンと片頭痛の関連が強く示唆されています。
片頭痛は市販薬でしのぐ方も多いですが、根本的な改善を目指すにはセルフケアも
大切です。まずは、ホルモンの変動と頭痛の関係性を知ることが第一歩です。
おすすめするのは、ホルモンの変動と頭痛の関係性を見つけること。
「生理開始の何日前から痛くなるか」「どんなタイミングで痛みが強くなるのか?」など
をご自身できちんと知ることで、予防やセルフケアのタイミングが明確になります。
頭痛アプリや手帳で「生理日・頭痛日・痛みの強さ・体調」を記録してみると
より詳細に分かってくるはずです。
片頭痛は軽視されやすいですが、ひどくなると吐き気を伴ったり
音や光に敏感になったりと、日常生活に大きな支障をきたす病気です。
しかし「いつものこと」「市販薬で済ませばいい」と軽く見られがちで、
医療機関を受診しないまま我慢している人も多いのが実情です。
頭痛の頻度が多い、生活に支障が出るほどつらいという場合は、我慢せず専門の医師に
相談することが大切です。